F11 易の言葉 鼎の軽重を問う

F11 鼎(かなえ)の軽重を問う

鼎は、食物を煮るために用いた金属の器ですが、神に捧げる供物を煮たことから神器でもありました。

古代国家では鼎が国の威信の象徴とされていましたが、BC2000年ころ古代の夏王朝の始祖・禹王(うおう)が、全国から銅を集めて九つの鼎を鋳造させ、王室の宝としたことに始まります。

夏王朝を滅ぼした次の殷王朝は戦利品である鼎を継承して国の宝とし、さらに次の周の時代に引き継がれて長く国の安定と権威の象徴とされました。鼎を受け継ぐことはその国家の安定と価値を示す象徴だったのです。

易の卦は火風鼎101.110(かふうてい)が、革命の後の安定を示す意味を鼎に表現しています。

通常鼎は三本足で、「立つ」という動きのある奇数の最小数を示し、西洋でも三本の矢、あるいはくさびや三角形のピラミッドパワーなど、三は最も安定する数としています。

「鼎の軽重を問う」とは、はるか昔の群雄割拠したころの話しです。晋に勝っておごった楚の荘王が、周から伝わる九つの鼎の大きさや重さを聞いただした故事を引用して、国家の安定と価値の象徴であり宝である鼎の軽重を問うとは、宝である鼎を軽んじる心か、統治者に取って代わろうとする、おごった心の表れであるとして、大変無礼な行為の例えに使われます。

現代に例えれば、資産や代々伝わる家宝について軽々しく聞いて値打ちを測るような人物でしょうか。そこから人の実力を疑い軽く見ることや、あわよくばうばい取って代わろうとする邪心に例えています。

そういえば、この指輪いくらくらいするの?とかやたら値打ちを聞く人いますよね。

どうせ安物でしょうと思って聞くのか、あなたより私の方が似合うわよと思っているのか、いずれにしても失礼なことなのでしょう。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です