C1  十月・神無月

神無月のいわれですが、多神教の日本は八百万(やおよろず)の神が全国におります。十月はこの神様が一斉に乾=天の国「出雲」に集結して、神が不在となるため「神無月」となり、反対に出雲の国は「神有(在)月」となるのだというのが通説です。その他、縁結びの相談に神が集まるという説や、新米を醸成した神酒とともに神に供える十月の神嘗祭(かんなめさい)にちなみ、神嘗月(かんなめづき)が神無月になったという説など諸説あります。また八百万の神々は何をしに出雲へ行くかというと、八百万の神々は時には怒り、邪神にもなりますから、天高く秋空の広がる十月は、邪心邪悪を天に吸収してもらい浄化するために、天の国出雲にゆくのだろうと、昔、今は亡き師匠から聞いた話を面白く思います。

易で説けば、十月は十二支では戌の月です。戌は十干の戊で、五行では土の要素になり、季節は秋の土用です。易の八卦では「乾=天」にあり、天の卦は天人地の三爻すべてが陽(1)の卦で、啓山式に表わせば天は(111)となります。戌の字は茂る意味があり、秋に茂り実った稲穂は斧(鎌)で刈り取られて、収穫は蔵に収められます。蔵が湿気ていたら作物は腐ってしまいますから、天を表す乾は乾燥の世界を表します。そこで諸説ありますが、十月は豊穣を表し、収穫を天の神に感謝してお供えする神嘗祭に由縁するという説を取るのが自然かもしれません。

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