F-5易の言葉 君子豹変す・大人虎変す

豹変や虎変は、豹や虎が秋になって毛が抜け替わり、鮮明で美しい毛並みになることを例えた言葉です。しかし豹変するという言葉は現代ではあまり良い意味に使われていないようです。

易経49番目の沢火革011.101の五爻(陽)に「大人虎変す…」上爻に「君子豹変す…」とあります。沢火革は革命の原則について説いている卦です。

革は上(火)下(沢)が対抗して激しく争う相剋の象形です。革命には破壊が伴うため万民の支持と信頼が不可欠です。そこで機が十分熟して行うことを原則としています。厳しい破壊を伴う矛盾を、大人君子の徳が悦びに変えるならば、必ず革命は成功し伸び栄えるだろうとあり、成功の暁にはまず暦を改め新たな時の始まりを示しました。

そこで豹や虎が豹変し虎変する結実の秋に例えて、革命の後の大人君子の道を示します。
時には残酷な破壊活動の後、面目を一新して立派な天子となることを「虎変」と例え、さらに革命の指導者は明徳を示し立派に豹変して成果を維持してこそ、万民が信頼し従ってくる。
しかし信頼に対し悦びで応えず、恐怖や粛清などを行えば行く末は凶となるのだとあります。

現代の豹変はどうも後の凶となる方の意味に使われることが多いようです。

多数の賛成を獲得して改革を成し遂げた後に、目的を離れ一部の私利私欲が勝って多数の信頼に背くことは、美しく立派になる豹変とは違うように思います。

厳しさを共有して人々の悦びに変えるという改革の原則の通り、指導者は美しく立派な君子に虎変し豹変してこそ伸び栄えるということなのでしょう。

 

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