G-2「酒池肉林」
夏王朝の次に紀元前16世紀から11世紀に亘り栄えた殷王朝があり、結果として最後の王となった悪名高い紂王がいる。
殷が周の武王により滅ぼされた原因は、紂王の暴政が原因だったという。
紂王は才能豊かで身体能力にも恵まれた人物だったというが、その恵まれた才能を暴虐無道な権力として発揮してしまったために、天地に見放され人心を失って周に誅殺の使命という天命を与えてしまったと伝えられる。
それは様々な暴政があったといい、その一つを例える言葉に「酒池肉林」がある。
文字通りの意味は池に酒を湛え、林に肉片をかけて酒宴を張ったという贅沢三昧を言うが、実際は毎夜酒を浴びるように飲み、あちこちで淫行乱交が行われたという乱れたバカ騒ぎを連想する。
そして天命を受けた王が悪行のためにその資格を失ったため、やむを得ず滅ぼすに至ったということが、勝者の口実であり大儀になり歴史に記される。
いつの時代も権力の交代に至る本当の真実は庶民にはよく分からない。